こんにちはemikiです。
つい先日、デザイナーとして片足突っ込んだくらいの時期、10年前に私がデザインしたフライヤーを発見しました。
知人に頼まれたハロウィンイベントのフライヤーです。
(表面カラー印刷/裏面白黒印刷)
当時の私はいたって真剣に作っていましたが、
なんとツッコミどころ満載のデザイン!!!
このツッコミどころ満載のデザインを、10年後の私が添削してみようと思います。
具体的にどういった理由でデザインがダメなのかも合わせて紹介するので、デザイン初心者の方も、是非過去の私を反面教師として参考にしてください(笑)。
デザイン初心者がやりがちなNGデザイン例として、見ていただけたらと思います。
※当記事では、オモテ面(カラー印刷)の方の添削をしています。
裏面(白黒印刷)の添削はこちらから グラフィックデザイナー初心者のNGデザイン「裏面・白黒編」
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Contents
グラフィックデザイナー初心者がやりがちなデザイン
まずは、全体を通してデザイン的に「NG」な部分を挙げていきます。
(まずはオモテ面のみ)
- 色を使いすぎている
- ごちゃごちゃ配置しすぎ
- 文字がまともに読めない
- アイキャッチ写真とイラストの世界観が合っていない
- 裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置
「NG」な部分を、ひとつずつ解説していきますね。
NG① 色を使いすぎている
まず最初に目に留まる箇所は、色使いの派手さ。
青やらオレンジやらピンクやら緑やら・・・
色のバランスなんて一切無視した配色に仕上がってますね。
案の定、色が喧嘩しあい全体的にまとまりがなく、ハロウィンの世界観もぶち壊してしまっている印象です。
NG② ごちゃごちゃ配置しすぎ
知人から制作を依頼された時に、この画像を使用して欲しいと、センターに配置している猫の写真をもらいました。
せっかくもらったインパクトのある写真なのに周りがごちゃごちゃしすぎて、写真に目が行きません。
色も多用しているので、なおさらごちゃごちゃ見えてしまっています。
NG③ 文字がまともに読めない
フライヤーとは、イベントに来てもらうための大事な集客ツール。
文字の癖が強すぎて「いつ」「どこで」「どんな」「何がある」といった大切な情報を拾うのに、時間がかかってしまっています。
文字の色使いも、読みづらさに拍車をかけています(苦笑)。
NG④ アイキャッチ写真とイラストの世界観が合っていない
猫の写真と、周りに散らばっているガイコツやかぼちゃのイラストが全然マッチしていません。
奇妙な雰囲気で行きたいのやら、可愛い路線で行きたいのやら、方向性がバラバラ。。。
NG⑤ 裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置
イベント名は大切な要素のひとつなのに、配置が裁ち落とし線ギリギリ。
裁ち落とされても文句は言えない場所に配置してしまっています。
入稿データの基本的な作り方をまだよく理解していない結果ですね(苦笑)。
大まかに挙げると、①〜⑤のこんなところでしょうか。
色もバラバラ、オブジェクもごちゃごちゃ。
デザイン全体の世界観もハチャメチャ(苦笑)。
その結果、非常に見づらいデザインになっています。
(ほんと良くこれで、OK出たなと思うくらい・・・)
「あえて、ごちゃごちゃしたデザインを狙った!」と当時の私はイメージしてデザインしたのでしょうが、本当にごちゃごちゃしているだけのデザインに仕上がっています。
本当に計算されたデザインは、多少ごちゃごちゃしていても、まったく見づらくなく、むしろオシャレで完成されたデザインに仕上がるのです。
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NGデザインを添削!デザインは読み手側の目線を持つことが大事
- 色を使いすぎている
- ごちゃごちゃ配置しすぎ
- 文字がまともに読めない
- アイキャッチ写真とイラストの世界観が合っていない
- 裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置
デザインのNG部分を抽出しました。
続いては、具体的にどのように改善していけば、少しはマシなデザインになるかを解説していきます。
①「色を使いすぎている」対処法
→色数を減らす。
→ハロウィンのイメージや紙面のテーマに合う配色にする。
色の使い方や配色については、こちらの記事で詳しく解説しています。

本文中にある、「70:25:5の法則」を意識して配色を行う方法もあるので、そちらのテクニックも是非チェックしておいてください!
②「ごちゃごちゃ配置しすぎ」対処法
→周りに散らばっているガイコツなどのオブジェクトを取り払い、もらった猫の写真素材を活かす。
(この猫の写真の雰囲気をそのままフライヤー全体の世界観にしても良いかも。)
デザイン初心者って、「間」があるとつい埋めたくなりますよね。
せっかく頑張って作ったものは、ついついデザインに取り入れたくなりますよね。
その気持ちもすごく分かりますが、必要のないものを削ることの方がもっと大事なんです。
せっかく仕上がったものを、削っていくのは断腸の思いかもしれませんが、良いデザインに仕上げるには必須の作業となります。

③「文字がまともに読めない」対処法
→文字同士が近すぎて読めない。
→イベント名などはロゴ化して、読みやすい文字でフリガナを振る。
→フォントの種類を見直す。
フォントの選び方や役割については、こちらの記事で書いています。

フォントには、それぞれ持っているイメージがあるので、イメージを崩さないようなフォント選びをすることも大切です。
▽文字をデザイン化するテクニックもこちらから▽

④「写真とイラストの世界観が合わない」対処法
→猫の写真メインでいくか、イラストメインでいくかどちらかにする。
写真・イラストの両方を大きく配置しているので、主張し合いが激しいです(笑)。
そのため、ミスマッチな世界観になってしまっているので、どうゆう方向性にするかきちんと決めてからデザインを組み直した方が良いでしょう。
⑤「裁ち落としラインを気にせず情報を配置」対処法
→裁ち落としギリギリにオブジェクトを配置してしまうと、切り落とされてしまう可能性があるので、特に大事な情報は絶対に配置してはいけない。
裁ち落としから7〜10mm以内に大事な情報を配置しないのはデザインの鉄則です。(←裁ち落としのセーフラインは印刷会社にも寄るので、事前に確認しておきましょう。)
特に文字情報は、切れてしまったら文章が読めなくなるので、文字を裁ち落としラインギリギリに配置するのは厳禁です。
その他、入稿に関しての注意事項はこちらの記事で紹介しています。

添削後の対処法まとめ
デザインを添削して、実際にはどうすべきだったかの対処法もまとめてみました。
まず一番に言えることは、このフライヤーをもらった相手が
「読みやすいか」
「情報を素早く的確に得ることができるか」
など、受け取った側のことを考えずに、デザインをしてしまっていることです。
色や配色がごちゃごちゃしているから文章が読みづらいのは言うまでもありませんが、それによってハロウィン特有の世界観さえもぶち壊してしまっています。
多分当時の私は、あれもやりたい、これもやりたいと、盛り込みすぎたのでしょう。
デザインは削っていくことも大切な工程です。
せっかく苦労して作ったものを削っていくのは、本当に断腸の思いですが、良いデザインのためには必要な作業なのです。
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10年越しにデザイン修正してみた
ということで、10年後の私がデザインを修正してみました。
10年前の素材は活かしたまま、色やレイアウト変更だけでの「リデザイン」になります。

- 猫の写真をメインとして扱うことにして、全体に散らばっていたドクロやかぼちゃのイラストを取り払い、アクセントとして、イラストを使用しました。
- まとまりのなかった色の配色も、ハロウインらしい配色にしてみました。
- イベント名をロゴ化して、一つのアイキャッチとして扱うことによって、全体的にスッキリさせました。
- 日時や会場名は、癖のあるフォントをやめて読みやすいようにしました。
以上のことに気をつけて、リデザインをしてみました。
え!?全然ダサいデザインじゃん!というご意見もあるかもしれませんが、その辺はご容赦ください(苦笑)。
10年前のデザインよりは、幾分か見やすくはなったはずです。
グラフィックデザイナー初心者に見習わなければならない点もあった!
今回は、10年前の自分のデザインに辛口のダメ出しばかりでしたが、ひとつだけ褒めておきたい部分があります。
それは、キャラクターやタイトル部分のフォントを、全部自作していることです。
現在は時間がないを理由に、既存のフォントや素材集の素材を配置するだけでデザインを完成させてしまってますが、当時の私は素材はすべて1から自分で作っていました。
初心忘れるべからず。
そんなところは見習わなければいけないなと思いました。
さて、次回はグラフィックデザイナー初心者のNGデザイン「裏面・白黒編」を添削します。
こちらは白黒印刷なので、その際の注意点も合わせてまとめます。
当記事のように、「NGデザイン」を添削するのもデザインスキルの向上には良い方法となります。
良いデザイン・悪いデザインのBefore〜Afterをわかりやすく紹介しているデザイン書もあるので、こちらも参考にしてみてください!
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Beforeの改善点やデザイン知識が要所に盛り込まれていて、独学デザイナーには是非読んでいただきたい本です。
もちろん私も愛読書です!

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