デザイン向上委員会

自分が当初イメージしたデザインと最終的に完成したデザインはどれほど近いか

グラフィックデザイナーの制作環境は、パソコンです。
パソコンモニターで、ビジュアルを確認しながらデザインを制作していきます。

一方で、グラフィックデザインの最終完成形態は様々で、パソコン上では完結せず、最終的に何かに出力されたものが完成品となります。(TPOに合わせた様々な種類の紙、様々な大きさの紙に出力します。紙以外の物に出力することもあります。)

  • グラフィックデザイン→パソコンでデザインを制作し、印刷物としてあらゆる媒体に仕上げる
  • Webデザイン→パソコンでデザインを制作し、完成品もパソコン上で確認する。パソコンで確認したままのものを、デザインしていけば良い

それらのことから、グラフィックデザイナーは、

最終的に納品された完成品と、自分がパソコンで作っている時に想像していた完成図と、どこまで近いものをイメージしながら制作できるかも、デザイナーとしての腕の見せどころとなります。

 

正直、私も完成品まで完璧に想像することは、まだまだできていません。

イメージ通りに仕上げるとこはそれほど難易度が高く、何より現場で場数を踏み「経験」がものを言うものです。

 

「パソコンで作ったデザインをそのまま印刷するんだから、イメージがそんなに変わることなんてあるの?」と考える人もいるとは思いますが、

パソコンに表示されたデザインと、出力(印刷)されたデザインとでは、当初のイメージと変わって見えるなんて、普通にありえることです。

なぜ自分が想像していたイメージと変わって見えるのかを、具体的に紹介していきますね。



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当初の完成イメージと、実際に完成したデザインに違和感を感じる場合とは?

パソコンのモニターと、出力された紙ではそもそも色合いが違う

パソコンは、パソコンの種類、ディスプレイ種類や設定などで、かなり色の見え方が異なります。

いくらパソコンで色を調整しても、色校正などで刷り上がってきたものを確認すると、
「全然イメージしていた色と違うじゃん!」
ということも良くあります。

印刷の場合、紙にインクが滲んでいく効果が働くため、ディスプレイで確認するよりも、印刷したものの方が全体的に色がくすむ傾向にあります。

印刷する紙の種類によって、色の沈みやすさ、発色しやすさも変わるので、そこまで計算してパソコン上で色調整をできたらベストです。

 

パソコンという限られたスペースでのデザインと、完成物の大きさの違い

デザイン作業をパソコンで行う場合、ディスプレイの中という限られたスペースの中で、デザインを進めていきます。

パソコン上の操作ひとつで、拡大・縮小・全体表示などは簡単にできるのですが、デザインが完成して、いざ原寸大に出力してみると、

今まで気にならなかったスペースが気になったり、
余白の取り方がいまいちだったり、
デザインを詰め込みすぎていたり、
と、パソコンでのプレビューでは気にならなかった部分が、目につくようになります。

パソコン上で全体のデザインを見るのと、原寸サイズで確認するのでは、まったく違って見えるのです。

これらデザイン上の違和感をなるべく阻止するためにも、完成したデザインは、一度自宅や会社のプリンターで原寸出力をして、空間の取り方や配置などの全体が把握できるような確認作業は必ず行うようにした方が良いです。
(A3サイズ以上など、家庭用プリンターでは出力できないサイズも、Illustratorのタイルプリント機能を使い切り貼りすれば、可能です。)

 

確認用として自宅(会社)のプリンターで出力しても、あくまでも確認用にしかならない

自宅や会社のプリンターで原寸に出力したものを確認した方が良いと、紹介しましたが、あくまでも「確認用」でしかないという点に注意してください。

完成品は、インクや紙の種類(紙に印刷しない場合もある)もまったく異なります。

これらが違うと、全体の雰囲気もガラッと変わるので、あくまでも自宅や会社のプリンターでの出力は、確認用として全体を客観的に見る用途として使用するようにしましょう。
(自宅や会社のプリンター出力は、色や雰囲気を掴むというよりは、レイアウト、配置、スペースの取り方を確認するためと考えた方が良いです。)

 

色校正など完成にほぼ近いものでも、自宅や会社で見るのと実際の場所にディスプレイされたものとでは、イメージが異って見える

色校正や最終校正など、最終的に出来上がるものとほぼ近い見本を、印刷会社から出してもらえることもあります。

その見本を、会社内や打ち合わせの場で広げて見るのと、実際の完成品を、本来飾ろうとしていたディスプレイ先に飾るのとでは、イメージが変わります。

イベント会場や街中など、周りがごちゃごちゃしたものに溢れている場所だと尚更そうです。

周りの背景に溶け込んでしまい、思いの外インパクトに欠ける印象になってしまうこともあります。

店内ディスプレイに場合は、ある程度背景も落ち着いていると思うし、事前に情報として知っておくことができるので、その場合は実際に、見本を店内に飾ってみると良いでしょう。



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出来るグラフィックデザイナーは、パソコンでデザインしている段階から完成イメージが見えている

このようにグラフィックデザインは、自分で想像していたものと、実際に出来上がったものとでは、イメージが変わってしまう場合もあります。

出来るグラフィックデザイナーは、これらイメージの振り幅が非常に少なく、パソコンでデザインしている段階から完成イメージが見えています。

上に挙げたことをすべて見越して、仕事を進めることができたら、時間効率が良すぎますよね!

さらには、

「予算や時間の都合で、色校正が出せない」
「データ入稿一発勝負」
なんて仕事もザラにあります。

そんな時こそ、これらのスキルが必要となり、デザイナーの腕の見せどころとなるのです。

現場経験の数をこなすことに尽きるとは思いますが、自分の経験ではなくとも、本、インターネット、人から聞くなどして、日頃からデザイン知識を蓄えておくのも良いでしょう。

 

Webデザインは、パソコンモニターで見たままのものが完成品になります。
(Webデザイン独特の、ブラウザやパソコンごとの見え方の確認作業は大変ですが・・・)

しかし、グラフィックデザインは、パソコンでデザインデータを作った後に本来納品すべきものが出来上がります。
だからグラフィックデザイン、パソコンでデザインを行なっている段階で、ある程度先を見越せる力が必要になってくるのです。



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